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Kathak カタックとは

●カタックの歴史

カタックはインドの古典舞踊のひとつです。紀元前5世紀頃、インドの吟遊詩人カタカ(kathakars)が寺院や村々をまわり、踊りや音楽によって叙事詩やヒンドゥー教の神々の物語を伝えたことに由来すると言われています。

8世紀以降北インドは度々イスラームの侵攻に遭い、イスラームの王朝が誕生します。そして16世紀に北インドがムガル帝国の支配下に置かれるようになると、カタカ達は宮廷に活躍の場をうつし、王侯貴族の庇護のもとで宮廷舞踊として発展しました。

当時の王宮ではペルシャ語が話され、絵画、建築、音楽、文学など様々な分野でヒンドゥーとペルシャが融合した独特の文化が生まれました。そのなかでカタックも双方の文化が融合したエンターテイメント性豊かな舞踊として芸術性を高めてゆきました。

参考:ウィキペディア、あぷさら

●踊りの特徴

カタックの基本姿勢は直立しており、足に巻いた鈴を複雑なステップで踏み鳴らしながらリズムを刻みます。鈴は片足で100個(もう片足に100個)を、1本の紐に編み込んで使用します。

かかとを軸にして旋回するチャッカール(chakkar)はイスラーム神秘主義スーフィーの旋回舞踊の影響を受けているとも言われており、旋回によって大きく広がるスカートがカタックの華やかさをより際立たせています。

宮廷舞踊として発展したカタックは、時に演奏家とのリズムの掛け合いを楽しみながら踊られます。繊細で高度な技術にヒンドゥーの神々への祈りの要素、さらにはアビナヤと呼ばれる表情やしぐさによって物語や感情を演じる総合芸術です。

衣装にもヒンドゥーとムガールそれぞれのスタイルがあり、ヒンドゥーの神様の物語を表現するときなどはサリー風のヒンドゥー式の衣装、ウルドゥー語の詩をもとにした演目はムガール式の衣装を着用します。
近年では双方の特徴を組み合わせたり、流行のファッションを取り入れたモダンな衣装も人気です。